20.カピタンの話 北風の湯

20.カピタンの話

都志の港に着いた。
この町は江戸後期の北前船の船頭、高田屋嘉兵衛の 故郷だ。
高田屋嘉兵衛記念公園の近くに今日の風呂はあった。
なんで、こんな記念公園の中に健康ランドのような温泉が在るのかと、一瞬訝しんだ。
番台の奥に嘉兵衛の肖像が架けられていた。
嘉兵衛がこの町を飛び出し船乗りになる為に兵庫の廻船問屋に身を寄せた時
北風の湯を訪れた。北風の湯とは、兵庫の廻船問屋、北風荘右衛門が兵庫を訪れる船頭の為に開いた湯である。

船乗りは北風の 湯へ行け、湯の中にどれだけの知恵が浮いて居るかわからぬぞと、言われた。

荘右衛門を尊敬する嘉兵衛にとって現在の記念公園の中に健康ランドの様な高田屋の湯は嘉兵衛が望んだことかもしれない。

工楽松衛門とは
「菜の花の沖」

Captain 溜

02/06/2025